はじめに
以前にも残業代について取り上げましたが、残業代をきちんと支払っておかないと、いざ訴えられたときには莫大な金額になり、取り返しのつかないことにもなりかねません。
しかし、残業代の計算は面倒だし、そもそも残業代なんて払いたくない(払えない)という事情もあるかもしれません。
そんな背景を反映してか、みなし残業代を活用しているところは多いようです。
みなし残業代は一定の金額をあらかじめ残業代として支払うものです。
これさえ払っておけばもう安心と言いたいところですが、金額の設定や従業員への周知など適正に運用していなければ、結局は残業代と認められないなどの問題が発生します。
今回は、みなし残業代について適切な利用方法を解説していきます。
残業代の基本
まずは、残業代の基本について確認します。
残業代は、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働した時間に支払わなければならない、割増賃金のことです。
割増率は25%ですから、仮に時給1,000円の従業員が1時間残業すれば、その1時間に対して1,250円を支払わなければならないと言うことです。
今、わかりやすく時給で考えましたが、月給の場合は次のように計算します。
月給20万円の従業員が1時間残業した場合は、月の平均所定労働時間を使って、時給換算して計算します。
仮に月の平均所定労働時間を160時間としますと1,563円の残業代を支払わなければなりません。
つづく