はじめに
業界を問わず、多くの企業が頭を痛めている問題の一つが、残業代でしょう。ご承知のように、人件費は会社の経費の多くを占めています。ただでさえ負担が重いところに、残業代まで払えないという治療院は少なくないでしょう。
しかし、残業代については、法律で支払いが義務づけられています。
ですから、万一従業員や、退職した元従業員(実はこのパターンが一番多いのですが)から、「残業代を払って欲しい」と請求されたら、その請求が正当な限り経営者は支払いを逃れることはできません。
そして、その額がとんでもない金額になることも珍しくありません。
今回は、、そんな「残業代」をテーマに進めていきたいと思います。
トラブル事例
最初に、残業代の未払いについてトラブルになると、どれだけ大変なのか事例を紹介します。
最も大変なことは、トラブルになると、過去の分もまとめて支払う必要があるところです。従業員が未払いの残業代を請求する場合、最大で2年間までさかのぼって請求することができます。
ある会社では、一人の従業員から2年間で180万円支払うように請求されました。別の会社では、同様に100万円を請求されました。
このような訴えは、一人とは限らず、複数の従業員が集団で請求する場合もあります。
複数人の場合には、すぐに数百万円の請求になってしまいます。
請求が正当なものである限り、会社は支払を逃れることはできません。
また、訴えとは別のケースで、労働基準監督署の調査で残業代の支払いを指導されることがあります。
この場合も、最大で2年さかのぼって支払を命じられることがありますので、必ずしも従業員の訴えだけがきっかけで起きるわけではないということを認識しておくことは重要です。
つづく