有給休暇の申請時期
有給休暇を消化するときに、どのタイミングで従業員から申し出させるかということは法律で明記されていませんが、実務上は「前日までに申し出ればいい」ということになります。
しかし、前日に言われても業務上は困りますので、緊急の案件を除いては、できるだけ事前に申出するように、就業規則などで定めておくことが必要でしょう。
ただし、就業規則でたとえば「有給休暇を使用する場合は、1週間前までに申し出ること」と定めた場合で、3日前に申し出た場合は認められないかというと、現実的には認めざるをません。
業務に支障が無いように、よく考えて取得するという文化をつくっておくことが重要で、就業規則はそのための“お願い” として利用することになります。
退職時の有給休暇まとめ取り
給休暇でよく問題になるのは、退職のときにたまった有給休暇をまとめて取るケースです。
場合によっては1 ヶ月以上有給休暇を使って休むこともあり、働かずに給与を支払わなければならないことはもちろん、引き継ぎが思うように進まないなどの弊害も出ます。
これを解決するためには、できるだけ普段から有給休暇を消化させておくことが必要です。
有給休暇の消化を促進するために、有給休暇の一斉付与という方法があります。
これは、労働者との協定を結んだ上で、例えば年末年始や夏休みなどを有給休暇として消化させることができるようになります。
たとえば、年末年始に3日、夏休みに2日の計5日を有給休暇の一斉付与として計画を立て、従業員と協定を結びます。
こうすることで、毎年自然に5日間の有給休暇を消化させることができますので、退職時に残ってしまう有給休暇を少なくすることができます。
有給休暇を買い取れるか?
これもよくある質問ですが、有給休暇の目的は心身を休めることにあるため、これを金銭等で買い取ることは違法となります。
ただし、退職後に消化しきれず残ってしまった有給休暇を買い取ることは差し支えないとされています。
これは、治療院として買取の義務があるという意味ではありませんので、積極的に買い取る必要はありませんが。
しかし、従業員が退職する際にトラブルがあった場合など、円満に解決するために買取が行われることがあります。
また、通常有給休暇を消化した場合は、通常働いたときと同じ賃金を支払いますが、退職後において買い取りをする場合の金額は、従業員との合意で自由に決めてかまいません。
完