2. 関節包内の動き
関節運動の基盤は、関節包内における関節面の動き(位置)である。
骨体の運動により生じる関節面の動きは、主として一方が移動し、他方が滑るように動く「滑り運動」である(図7)。
つまり、人体では一定の接触部を保ち、関節窩(凹面)か関節頭(凸面)の上を滑る点状移動が多い。
また、面状移動(双方の面の平行的変化)は、椎間関節のような平面関節で起こる。
そのほか、少数ではあるが、「転がり運動」(図8)と「軸回転」(図9)がある。
前者は、膝関節などが示すように両関節面の広さや曲率がそれぞれ異なるために、運動により常に両面が移動する。
後者は環軸関節にみるように、関節面の中心軸を接点にしてその回りを回旋する動きである。
MEMO
①関節面の運動には「凹(関節窩)、凸(関節頭) の法則」が存在する。
すなわち、凸面が固定され凹面が動くときは、関節面は骨体と同方向へ滑る。
これは、運動中心軸が凹面に存在せず、骨体の中にあるためである。
②凹面が固定され、骨頭が運動するときは、関節面は骨体と逆の方向へ滑る。
これは、運動軸が骨頭に存在するためである。
完