◎ 四肢をつなぐ関節のメカニズム
■関節の構造と機能
生体は体腔を作り生命の維持に当たる軸性の骨格と、筋の付着により運動機能を担う付属性の骨格の2種類を備えている。
前者の骨格(骨の数)には頭蓋(23)、脊椎(32)、胸郭(胸椎を除き25)などが属する。
また、後者のそれは上肢骨(64)、下肢骨(62)などが含まれる。
骨の可動部分を「関節」と称し、これには連続的な可動結合と、非連続的な可動結合とがある。
可動結合には線維性のもの(頭蓋など)と軟骨性のもの(椎間円板など)がある。
しかし、どちらも原則的な可動性はなく、可動性を持つにしてもごくわずかにズレるだけである。
MEMO
頭蓋(下顎骨、舌骨を除く)は成長とともに結合し、また寛骨臼なども同じく癒合する。
1. 関節の構造様式
生体内には、運動目的に向かって確実な動作を行うおよそ200の可動性の高い関節が存在する。
一般にこれを濶膜関節と称し、
①屈曲・伸展、
②内転・外転、
③回内・回外、
④内旋・外旋
などの運動を行うことができる。
また、それらの動きのために、それぞれの動作に適合した関節構造を持つ。
同時に、それは各種靭帯および筋の付着の仕方により運動範囲の制限を受ける。
1)1軸性
・蝶番関節(屈曲と伸展、図1)
腕尺関節、指節間関節など。なお、膝関節は屈曲位で回旋が可能になる。
・螺旋関節
蝶番が長軸と直角の運動方向であるのに対して鋭角の螺旋状をとるもの(距腿関節など)。
・車軸関節(左右の回旋、図2)
環軸関節・橈尺関節など。
つづく