はじめに
フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアは、今やほとんどの人が利用していると言っても過言ではないと思います。
一方で、急速に発展したソーシャルメディアに対して、これを規制するようなルールの整備や、利用者の危機管理意識が追いついていないと言えます。
そのため、不用意に発した一言が大きな影響を持ち、思わぬトラブルになるケースも増えています。
今回は、今や生活の一部となりつつあるソーシャルメディアの利用と労務管理の関係について考えていきます。
ソーシャルメディア利用と問題点
ご存じの通り、ソーシャルメディアは誰でも簡単にアカウントを取得して、気軽に利用することができるサービスとして急速に普及しています。
ソーシャルメディアを使えば、誰でも情報を公開したり、意見を発信したり、有名人と友達に(なったような気に)なれたりするわけです。
ソーシャルメディアを利用することは、全く個人の自由ですが、そこに書き込まれる内容に注意を払わなければ、問題となることがあります。
大きな問題になればマスコミでも取り上げられますのでご存じの方も多いと思いますが、たとえば店員が有名人の来店について書き込み、大きな騒ぎになったケースなどがあります。
また、このような書き込みは、驚くべき早さで日本中どころか世界中に伝播します。
気がついたときには何千万人が知っている…なんていうこともあるわけです。
冒頭にも述べたように、明確なルールなどが無いため、利用者の倫理観に左右されるところがまだ大きいと言えます
具体的には、次のようなことを書き込んだ場合に、トラブルに発展することが考えられます。
・患者さんのプライバシーに関わること
・同僚や上司などのプライバシーに関わること
・個人の治療の内容にかかわること
・職場の様子やノウハウなど(秘密)情報
・特定の相手を非難するような内容
・治療院の評判を落とすような内容
例えば、従業員Aさんのアカウントから「○○さんが●●治療院で○○の治療に来ています」等の書き込みがあった場合に、単純にAさんがプライバシーに関す情報を漏洩しただけのように見えますが、Aさんが●●治療院で働いていると言うことが、Aさんのアカウントのプロフィールから判明したり、Aさんの書き込みに対して「Aさんって●●治療院で働いていますよね」などの反応があることも考えられます。
こうなると、「●●治療院は勝手に患者の情報を流すのか!」となり、そこから炎上して治療院の評判や信頼を一気に堕とすことに発展する可能性が十分にあります。
つづく