カイロプラクティック教本-四肢編9-|健康コラム|日本カイロプラクティックドクター専門学院

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健康コラム

カイロプラクティック教本-四肢編9-

◎ 四肢をつなぐ関節のメカニズム(その4)


■筋張力の力学を考える

 関節とは、筋の収縮による張力が「テコの原則」に基づき、それぞれの骨を動かす。また、梃子(テコ)とは、棒が一定点(支点)を通る1つの軸の回りを自由に回転できる状態のもの、と定義されている。

1.テコの種類
 図16に示した通り、テコには3種類ある。第1のテコは、シーソーのようにその安定性が特徴である。
第2のテコは、手押しの一輪車がその典型であり、力の有利性を特徴とする。第3のテコは後述する。

2.生体の三角法
 物体(生体)の位置が変化したとき、その速さ(力)と方向(θシータ)のベクトル量をいい、平面上では直線または円で示される。




photo1
photo2


 2つのベクトル量の和は、平行四辺形の対角線により合成される。
また、多数のベクトルの和も、この平行四辺形の法則を用いて合成することができる。(図17)

 それでは、物体の運動が図18のように曲線を描いている場合、各個所における等速円運動の瞬間をどのように捉えるのか。

 まず、x-yの直角座標軸を用いて、速度Vをx方向とy方向に分け、次に、知りたい円地点に接線を引く。
速度ベクトルはυx=V・cosθとなる(Vは速度、矢印の向きが運動方向)。

また、cosおよびsinは

suji

で求めることができる。これが、いわゆる(三角法を用いた)微分である。

 なお、物体は運動している際、速度が増加したり減少したりする加速度により、その方向が変わる。
 その加速度のベクトルは、υy=V・sinθである。
 ところで、物体に力(F)を加えて、ある方向(θ)に移動(S)させると、力と変化の方向が同じ場合の仕事率(w)はw=F・Sで表わす。
 また、力の方向と物体の移動方向が一致せず、ある角度(θ)を作る場合、その力が仕事量に対して有効に働いた分力は次のようになる(図19)。

w=F・S cosθ

 そこで、肩関節の外転に果たす三角筋の張力について考えてみる。

z19




 図20のように、外転方向の三角筋の分力はF・cosθである。
 この分力で点Aが、ある距離(a)まで変位すると、
w=F・a cosθ
となる。
 さらに、仕事率(仕事量とかかった時間)について考えてみる。
 仕事量 W(ジュール)、仕事率 P(ワット)、時間 t とすると、

sujia

 つまり、仕事量は仕事率(p)と時間(t)の積で求められることになる。