■筋張力の力学を考える 関節とは、筋の収縮による張力が「テコの原則」に基づき、それぞれの骨を動かす。また、梃子(テコ)とは、棒が一定点(支点)を通る1つの軸の回りを自由に回転できる状態のもの、と定義されている。
1.テコの種類 図16に示した通り、テコには3種類ある。第1のテコは、シーソーのようにその安定性が特徴である。第2のテコは、手押しの一輪車がその典型であり、力の有利性を特徴とする。第3のテコは後述する。2.生体の三角法 物体(生体)の位置が変化したとき、その速さ(力)と方向(θシータ)のベクトル量をいい、平面上では直線または円で示される。 2つのベクトル量の和は、平行四辺形の対角線により合成される。また、多数のベクトルの和も、この平行四辺形の法則を用いて合成することができる。(図17) それでは、物体の運動が図18のように曲線を描いている場合、各個所における等速円運動の瞬間をどのように捉えるのか。 まず、x-yの直角座標軸を用いて、速度Vをx方向とy方向に分け、次に、知りたい円地点に接線を引く。速度ベクトルはυx=V・cosθとなる(Vは速度、矢印の向きが運動方向)。また、cosおよびsinはで求めることができる。これが、いわゆる(三角法を用いた)微分である。 なお、物体は運動している際、速度が増加したり減少したりする加速度により、その方向が変わる。 その加速度のベクトルは、υy=V・sinθである。 ところで、物体に力(F)を加えて、ある方向(θ)に移動(S)させると、力と変化の方向が同じ場合の仕事率(w)はw=F・Sで表わす。 また、力の方向と物体の移動方向が一致せず、ある角度(θ)を作る場合、その力が仕事量に対して有効に働いた分力は次のようになる(図19)。w=F・S cosθ そこで、肩関節の外転に果たす三角筋の張力について考えてみる。 図20のように、外転方向の三角筋の分力はF・cosθである。 この分力で点Aが、ある距離(a)まで変位すると、w=F・a cosθとなる。 さらに、仕事率(仕事量とかかった時間)について考えてみる。 仕事量 W(ジュール)、仕事率 P(ワット)、時間 t とすると、 つまり、仕事量は仕事率(p)と時間(t)の積で求められることになる。完
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