◎ 四肢をつなぐ関節のメカニズム(その3)
その中で、大脳皮質に促通する新脊髄視床路がある。
これは、脊髄正中を横断し腹側外側脊髄索を上行する太くて、かつ最短距離を辿るものとされている。
この伝導路では、その30%が侵害刺激にのみ使われ、残りの70%はあらゆる感覚器に反応すると言われている。
なお、この系が比較的新しいとされるのは、ほかに痛みの動機づけに反応する(いわゆる旧脳の)旧視床路、網様体路などの情動疼痛路(退避性、情動性など)が存在するからである(図14)。
特に、この系で重要なのは網様体から水道周辺
灰白質に痛みが投射されると、麻薬様物質が誘発され、下行性の刺激情報に対し、抑制系としての機能を果たすということである。
また、痛み刺激において記憶の貯蔵と再生が果たす役割(側頭葉)も見逃すことはできない。
なぜなら、そうした経験により痛みの閾値は低下し、それまで無害刺激であったものが痛み刺激に転じてしまうからである。
MEMO
延髄のNGC細胞(脳・脊髄間)を刺激すると、Aδ線維およびC線維が最大に反応する。また、脳脊髄液を含む脳室周辺の脳である水道(パイプ)周辺(ペリ)の(橋、視床下部間)パイプは脊髄とつながっており、ここを刺激すると痛み行動をブロックし、かつNGC細胞の活性を抑制する。
完