■構造的脊柱側弯
椎体の楔状変形と捻じれを伴う側弯変形で、胸椎側弯の存在は胸郭も変形する。
多くは成長期に発見され成長期間中に進行し、成長完了とともに進行を停止する。(基本として腸骨稜骨端核の融合を持っ
て成長完了と考える)
全側弯症の7~8割が特発性側弯症で、発症年齢は3型で、3歳以下の乳幼児に発生する乳幼児期側弯症、3歳以上から小学校低学年に発生する若年性側弯症、10歳以上の思春期に発生する思春期側弯症がある。性別では女性が圧倒的に多い。
他の構造的脊柱側弯症の分類は以下に示す。
先天性側弯症
先天的な脊柱の分節、形成異常や肋骨の融合による。
筋・神経原性側弯
進行性筋ジストロフィー、脳性麻痺などの筋・神経疾患に伴う側弯。進行も早く成長終了後も進行する。
高度の側弯を生じ座位保持が困難。
神経線維腫性側弯
皮膚に多数のCafe-au-lait spot(カフェオレ斑)を示す遺伝性疾患。鋭く短い側弯を有し、進行は早く脊髄麻痺症状を呈する危険あり。
マルファン症候群に伴う側弯
高い身長、長い四肢、指が特徴で水晶体の脱臼のため視力障害を伴うこともある。心・血管系の異常の合併も、進行も早い。
■X-ray所見と計測法
X-ray:静止立位での全脊椎の前後像を撮影。
また骨盤の上部1/2を撮影することで腸骨稜骨端核により骨年齢を判定することができる。
⇒最も強く側弯を示している部位を1次カーブと呼び、また最も正中線から偏位し、椎体の楔状変形と捻じれが最大であるのを頂椎と判定する。
1次カーブの上下端に存在し、弯曲方向に最も傾き、捻じれのない椎体を終椎と呼ぶ。上下の終椎間を1次カー
ブの範囲とする。
1次カーブの上か下に作られる代償カーブを2次カーブと呼ぶ。
計測 :上下端にある終椎の上位終椎上面と、下位終椎下面に接線を引き、その交角をもって表す(コブ法)。
椎体の捻じれは4度に分けられる(図参照)。
最大の捻じれは頂椎に存在する。
腸骨稜骨端核による骨年齢評価は、腸骨稜を4等分する。10~12歳で領域1に骨端核が出現し、15~16歳で領域4ま
で伸び、17~19歳で閉鎖する(図参照)。
⇒特発性脊柱側弯症は骨成長期に進行するため必ず腸骨稜の撮影をし、これを読みとる。
完