治療院のための“労務管理”はじめの一歩
たや社会保険労務士事務所 田谷 智広
退職時にトラブルが多い雇用保険
雇用保険は、失業保険という名前の方が有名ですが、その名の通り職を失ったときに給付を行うことを主目的とした保険です。
被保険者であった期間の長さや、在職中にもらっていた給料額によって、給付を受けられる日数と給付額が決まります。
また、給付を受けるためには、最低でも1年以上被保険者でなければなりません。
雇用保険は、表1のように個別の労働契約(週の所定労働時間や契約期間など)により、加入できるかどうかの判
断が難しい場合があります。
しかし、ここを曖昧なままにして、加入させなかった場合に思わぬトラブルになることがあります。
それは、雇用保険に加入していなかった社員が退職したときに、「自分も失業給付を受けられるはずだ!」と訴えてくるケースです。
こういったトラブルを防ぐためには、前回お話しした労働条件明示書をきちんと作成し、雇用保険の被保険者に該当しないのならばそのことをきちんと説明して、退職した際に失業給付が受けられないことをはっきりさせておくことが必要です。