労働時間把握の方法と具体的例
(1)タイムカード
タイムカードは、機械が時刻を打ってくれるため、基本的にうそのない時刻が記録されます。
しかし、打ち忘れや代理打ちなどは、ひとつひとつチェックしていかなければなりません。
(2)出勤簿(自己申告制)
手書きやパソコンでエクセルのシートに入力するような自己申告の出勤簿は、本人が時刻を記入するため、時刻の信頼性が低く、たいていはキリのいい事項を記入します。
また、まとめ書きが起こりやすく、記憶の曖昧さによる誤差も生じやすいです。
図1はタイムカードの記載例です。
①は「残業申請有」というコメントを入れてあります。
このように、タイムカードに打刻されている時間まで労働時間として認めているのか、確認作業が日常
的に行われていること、いいといえます。
②はタイムカードにありがちな打刻忘れです。
この場合は手書きで追記して、理由を書き、上司が確認の押印をします。
こうすることで、本人と会社との間で誤解がないようにしておきます。
③は退勤時刻と終業時刻が異なるケースです。仕事は18時で終わっていたが、その後は自主的に残って勉強して、21時40分に帰りのタイムカードを押した場合を想定しています。
このまま放っておくと、21時40分まで労働していたと言われたときに反論が難しくなります。
例のようなコメントを書かせ、上司の確認印を押すことで、勉強時間は労働時間ではないことをはっきりさせておきましょう。(※自主的な勉強なので労働時間にカウントしません。強制参加の勉強会は労働時間になります。)
図2は手書きの出勤簿の記載例です。
この場合は、すべてが自己申告なので、できる限り毎日確認をすることが望ましいです。
そのほかはタイムカードと同様に、必要に応じてコメントの記入と上司の確認印を押印するなどして、労働時間の認識を労使間で一致させておくことが重要です。
おわりに
労働時間の管理は、とても手間のかかる仕事です。
とにかく地道にやっていくしかないことです。そして、賃金計算はもとより、勤怠の状況や過重労働になっていないかという判断材料になったりと、さまざまな役割を持っています。
大変ですが、きちんと管理することで、いざトラブルになったときには経営側の強い味方となってくれるものでもあります。
完