たや社会保険労務士事務所[2012.7.16の続き]
田谷 智広
残業代の計算から除くことができる手当
基本を確認したところで、もう少し掘り下げていきます。
給与には、基本給の他に手当が付くことがあります。代表的なのは通勤手当です。他にも表のような各種手当てが主に採用されています。
これらの中で、例えば通勤手当は電車賃などの実費弁済を目的としていますので、通勤手当に残業代がかかるということはありません。また、住宅手当などは、家賃補助を目的にしていますので、これにも同様に残業代はかかりません。
一方で、店長手当や資格手当などは、その人の業務上の責任や能力に対して支払っているので、残業代の計算に入れないといけません。表のように、残業代の計算に入れるもの、入れなくても良いものが手当によって異なります。
ただし、たとえば名称が住宅手当でも、「全員に一律1万円」というような、家賃と無関係な理由で支払われている場合は、残業代から除外できる手当と認められないため、注意が必要です。
従って、基本給が20万円でも店長手当が2万円ついているような場合は、22万円をベースに残業代の計算をしないといけないということです。