鶴ケ島 カイロプラクティックセンター[2012.4.25の続き]
院長 船戸孝俊B.S.C.
傷口の修復手順は、DNAの中に「創傷治癒プログラム」として埋め込まれています。
そのプログラムに従って一連のサイトカインを出していくのが、マクロファージの役目なのです。
通常、傷口が出来ると、身体から盛んに救援を求めるサイトカインが放出されます。この物質を感知するとマクロファージなどの免疫細胞が集まり、マクロファージは細胞の成長や移動を促す物質を放出します。こうした物質に刺激を受けて皮膚の細胞が移勤し傷口を修復します。
傷口からマクロファージを呼び込むためのサイトカインと同じ信号を、癌細胞も出しているとポラード教授は話しています。つまり一見マクロファージの裏切りのような行動は、実のところマクロファージは本来の機能を果たしているにすぎないのです。
これまでで思うことは、前回出てきたHIF-1遺伝子の働きと同様に、癌化の第一歩は、体内で起きた何か異常な現象からではなく、全く正常な過程と働きから踏み出されているのではないでしょうか。
正常細胞と癌細胞との境界を明確にすることが出来ないということが、対処の方法をより難しくしています。私は今回の経験と勉強を通して、癌を異物としてとらえるのではなく、癌もその生命を構成する一部分のような気がしています。とすればもっと違う戦い方、付き合い方があるように思えてきました。そんな時に出会った一つの治療法について記したいと思います。
【超高濃度ビタミンC点滴療法】
聞いたことがある人もいるかもしれません。
2005.9.20「米国科学アカデミー紀要」にその論文は記載されました。それから米国では、かなりメジャーな療法として扱われるようになりました。しかし実際は30年も前に、米ノーベル賞化学者ライナス・ポーリング博士によって提唱されていたのです。
次回に続く