ライフウェストの卒業式は2009年の12月の中旬でした。
その翌日にカイロプラクティック・ミッショントリップという学校のカイロの啓蒙活動に参加して、カンボジアに2週間程行っております。
同年3月にもアフリカのガーナに別のミッショントリップに行ってきたので、その経験をまた別の場所でも活かす事ができるのか興味があったのと、アンコール遺跡を含めたカンボジア文化に高校時代から憧れがあったので迷わず行く事を決めました。
ただ滞在費、食料費等の旅行費が当然かかります。
当時で3700ドル位でした。
アメリカのカイロプラクティック大学の学費は高いうえに、毎年数パーセントずつ上昇します。
さらにカイロプラクティック系の専門書は一般書籍に較べると高額ですし、各種の道具、器具類の購入費もかかります。
また校外でセミナーを受けようものならセミナーの受講料、そのセミナーまでの交通費、滞在費、その他諸々の費用がかかるため学生は常に財布とにらめっこになります。
アメリカ人の学生は家を購入するような気持ちで学生ローン(日本の奨学金制度に似ていて、卒業後に返済義務があります)を組んで学校に入学してきますし、私のような自費で勉強している留学生には3700ドルの旅費はそう簡単に出せるものではありません。
授業料、普段の生活費に加え、卒業が近くなると国家試験の受験や準備にも何千ドルとかかります。
また、その年の初めにガーナにも行ってきたばかりで懐具合は心許ない状況でした。
それでもただの観光ではないカンボジアへのカイロ活動の旅は魅力がありました。
他のミッショントリップ参加希望者がどのようにお金を工面したのかは知りませんが、とにかくお金がないのなら何とか捻り出すしかなく、手始めに自分が大切にしていたギターをネットオークションに出し、また学校で校舎やクリニック掃除のアルバイトをしていたので、両方を足して半分位の金額は調達できました。
残りのお金をどうしたものかと思案中に、サンフランシスコの日本人街でもらってきたフリーペーパーの中に『治験参加者募集』の広告を見つけたのです。
そこには『治験に参加していただけると謝礼金をお支払いします』と謳ってあるので、「治験とは何ぞや?」という疑問点を調べてみると『薬の効用の実験を人体で行う事』と分かりました。
噂でちょっと聞いた事がありましたが、実際にそういう人体実験に参加となると多少なりとも疑心暗鬼になります。
でも旅費捻出の為に私の心はほぼ決まっていました、、、
続きはまた次回に。