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健康コラム

自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 3

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 よく5年目、7年目のジンクスといわれるのですが、始めたばかりの一年目などは、無我夢中です。
やがて一年過ぎる頃には、やや2割ぐらいの手に負えない難治性の患者さんが残ります。
その患者さんを抱えながら2年目も同じように2割程度の患者さんが残ります。

5年目、7年目頃になると、やや5割を超える手に負えない患者さんが自分の目の前に、あるいは立ち去って行った患者さ
んが心の中に残ります。
こうなると自分がどんどん苦しくなります。

 しかしこれは苦しみながら、もがきながら自分で見つけ出しこの大きな壁を乗り越えるしかないのです。
誰も助けてはくれないのです。
この時こそしっかりと足元を照らして、前を見据えて前進していける哲学の存在が不可欠になります。

 私自身も数年前にこの問題に直面しました。大したことは出来ていないのに、出来ているような錯覚を起こしていたのです。
気が付いてみたら、何度施術しても毎回同じ症状で帰ってくる、さらに悲惨なのは、悪化していく患者さんの存在です。
そうなるとかなりジプシー的になり、これが良いあれが良いと聞けば、情報収集に励み試してみたものの自分のものにはならず、ただ情報の羅列をし続けるのです。

毎日夜遅くまで勉強しても、全く光が見えてこない日々が続き疲れ果てたそんな時に、一冊の著書に出会いそこから生き返ったようになったのを覚えています。
 この本からは、考えることの大切さ、考えることの楽しさ、そして特にこの仕事は、考えることが最も重要で必要不可欠なのかを思い知らされました。
人から聴き知ったことは、けして勉強したことにはならず、本当の知識にはならないのです。


つづく





自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 2

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 リーマンショックの頃からか、来院患者の動きや質が変わってきたように思います。
強烈な不景気のため、いままで肩こりや日常的な疲労などで気軽に来院していた患者さんが、かなり減った気がします。
我々が扱う症例は、緊急に命を脅かす症例ではないこともあり、痛みなどを我慢できる範囲であればギリギリまで我慢してしまうのでしょう。


その結果症状がかなり進んで来院することが多くなったように思いますし、改善方向に向かうまでに時間と手間がかかるようになりました。

 しかし施術報酬が自費なこともあり患者さんは安易に早期改善を求め、しかもけして安くない料金を払うのだからと期待値が非常に大きくなります。
患者さんからの「私のこの痛みは治るの、治らないの」と責められるように聞かれると、つい「治りますよ」などと言ってしまいそうになります。

この“治ります”という言葉一つも、カイロプラクティック自主規制の中の禁忌事項の一つです。
言葉だけではなく、結果を焦るために施術そのものが、正確性を欠いたり事故を起こしたりもします。

施術者が落ち着いて対応しているか、知識、技術の足りなさから焦りを感じているのかは、どんなに言葉巧みに誤魔化しても患者さんにはしっかりと伝わるものです。


つづく





自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 1

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 最近裁判員裁判が行われ、一つの判決が出ました。
この裁判員制度に並行して検察審査会の制度が法改正になったことを知っている人は意外に少ないと思います。

 この制度は、これまで最終的には検察官に委ねられてきた起訴ないし不起訴の判断について、一定の場合には一般市民で構成される「検察審査会」の判断に拘束されるというものです。
つまり一般市民の意見、患者側により近い判断が下されることになります。

医療はいかに高度な教育と訓練を受けているとはいえ、人の行う行為です。
想定も出来ないような病状であったり、処置の範囲を超えて病状が進んでいたり、手の施しようがないこともあります。
これにはみなさんも承知のとおり、不確実性と限界があります。

 それでは、不当な起訴を防ぐために、私たちの立場でどのような対策がとれるでしょうか。
そもそも刑事事件の対象にならないようにすることを考えなければなりません。
対象となった医療事件のほとんどが、患者遺族からの告訴、告発がなされた事案であることから、日頃から患者さん及びその家族と十分なコミュニケーションを確保し予後不良な患者さんや、急変の危険性のある患者さんなどは特に、そのような認識を共有することが大切ではないかと思います。

 以上のことを踏まえ、私なりに目の前にある諸問題にどのように対応してきたかを、少々記してみたいと思います。


つづく





片頭痛における発作間代謝変化:ボクセル基準FDG-PET研究 8

(米)ライフウエストカイロ大学元講師
米国公認カイロドクター
学長 小倉 毅D.C.

Conclusion(結論)

 本研究では、FDG-PETの使用により片頭痛患者の発作間欠期における代謝変化が発見された。
発症期間が長期化すると糖代謝が低下し、発症頻度の増加が中枢疼痛ネットワークに関与する特定の脳部位に代謝異常に起因することが示唆された。

table4


 





片頭痛における発作間代謝変化:ボクセル基準FDG-PET研究 7

(米)ライフウエストカイロ大学元講師
米国公認カイロドクター
学長 小倉 毅D.C.

Correlation analysis(相関解析)

 発症期間との比較において明らかな負の相関が両側島/下前頭葉(BA 13/47)、膝部を含む両側前帯状回(BA 24/32)、両側海馬傍回(BA 28)、右上側頭葉(BA 22/38)、左中側頭葉(BA 19)、左小脳後部にみられた(uncorrected P<0.001;
Table 2, Fig. 2)。SVC後では両側島、ACCに有意差がみられた(corrected P<0.05; Table2)。
また、左前頭葉、頭頂葉白質に顕著な正の相関がみられた。

 生涯発症頻度との比較では顕著な負の相関が両側下前頭葉(BA 45/47)、右島(BA 13)、左前帯状回(BA 24)左小脳後部にみられた(uncorrected P<0.001; Table 2)。SVC後では前帯状回に有意差がみられ(corrected P<0.05; Table 2)、正の相関はみられなかった。

table3

つづく