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健康コラム

骨盤部機能解剖

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 脊椎と連なる仙骨は両寛骨との組み合わせにより、輪形の骨盤が形成される。骨盤は内臓の保持と保護を担い、大腿部の筋の起始ともなる。
骨盤は座位では体重を支え、立位では体重を下肢に伝えている。
アーチ状の構造は体重支持と体重伝達において重要な働きとなる。

 大きな寛骨は最初のうちは、寛骨を構成する3つの部分(腸骨・坐骨・恥骨)より分割されている。
しかし、後になって寛骨臼においてY字型をした骨端部に融合する。
骨盤の上部にあたる腸骨は皮膚に近いところにあるため、全体を触診可能にする。

腸骨稜はL4-5の高さに一致し、上前腸骨棘(ASIS)は骨指標として容易に触知でき、この部分には鼠径靭帯と縫工筋の起始部となっている。
上後腸骨棘を結んだラインにはS2のレベルにあたり、仙腸関節の中心となる。
これらの骨指標は腰椎の棘突起や肋骨突起(横突起)を正確な識別のため役立つ。

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つづく





胸郭の疾患

◇胸椎椎間板ヘルニア


原因


・胸椎は肋骨、胸骨と胸郭を形成するため頚、腰椎より可動が制限されている。
そのため、この部位でのヘルニアは比較的まれである。下位胸椎部は好発部位で、椎間板変性が明らかとなる30代以降
から発症が多い。

症状
・胸椎部でのヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアとは異なり、脊柱管は円形で狭く脊髄を圧迫することが多い。
そのため、痙性下肢麻痺、排尿障害など重度の症状を呈す。
 ⇒椎体固定などの手術を要するが、脊髄麻痺を憎悪させる危険性がきわめて高い。

◇胸椎脊柱管内靭帯骨化症


原因
・日本人は他の人種と比べて後縦靭帯骨化症や黄色靭帯骨化症が多い人種である(遺伝的要因もある)。
いずれの靭帯骨化も靭帯に肥厚変形を起こし骨化へと移行する。

症状
・骨化した靭帯は徐々に厚みを増し、その結果、脊髄圧迫症状を呈す。
 ⇒後縦靭帯は脊髄を前部から圧迫するため、きわめて慎重な手術が要求される。

◇漏斗胸


原因
・胸郭前壁の凹変形である。片側の大胸筋、肋骨の欠如などが原因。

症状
・肺活量の低下もしばしみられる。男女比は6:1で男児に多く、乳児の胸壁は柔軟性に富んでいるため、多くは3歳前後で自然治癒する。
 ⇒手術は4~10歳までに胸部外科医により行われるのが望ましい。


◇鳩胸



原因
・先天性、内分泌性、代謝性、筋の発育異常などの発生原因が考えられる。

症状
・胸郭前壁が突出した変形。
 ⇒一般的には治療、手術の対象にはならない。


◇肋骨骨折


原因
・胸の打撲、強い圧迫で起こる。また運動時に強く引かれることによる骨折もある。

症状
・安静時の痛みは僅かであるが、大声、深呼吸、気張る動作で痛みが出現する。
バストバンドなどで動きを制限し、痛みの出る動作、入浴や飲酒も禁忌とすることで、2~3週間で痛みが減少、6~9週間は運動は制限が必要。複数の骨折でなければ4週間ほどで治癒する。
 ⇒交通事故や高所転落によって、多数の肋骨骨折で心肺、大血管の損傷が合併すると生命を脅かす損傷も起こりえる。


◇肺気胸

原因
・肺に穴が空く、肺のケガである。外傷によるものや、原因がなくても成長過程で空くこともある。

症状

・症状は胸に刺すような鋭い痛み、鈍い痛みが続くことも。息切れや苦しさの場合もある。軽症は運動時陽性で、重症は安静時陽性。
治療は1週間程度で自然治癒するのが主。
 ⇒穴が大きければ心臓や肺を圧迫するため、修


◇肋骨腫瘍

原因
・一般的にはまれである。多発性骨髄腫や乳がん、前立腺がん、肝臓がん、肺がん、甲状腺・肝臓・膀胱がんなどの胸椎および肋骨転移が少ない。

症状
・進行性の疼痛が出現する。
 ⇒X-ray像とMRI、TCシンチグラフィーが診断上有用である。X-rayで椎弓根消失が重要所見である。





カイロプラクティック教本-四肢編7-

1.関節包とポリモダル受容器の存在


 関節諸組織のうち、痛みに関与するものの第一は、関節を取り巻く関節包が蒙る損傷が考えられる。
なぜなら、関節包には多くの神経分枝、筋枝および細動脈が並行して進入しているからである。

 特に、繊維層と滑膜層の間には神経層が展開しており(MEMO参照)、それらはパチニ小体(動き受容器)、ルフィニ小体(温受容器)、クラウゼ小体(冷受容器)などのレセプターと結んでいる。
また、靭帯にはゴルジマッツオーニ小体(圧受容器)が分布する。

 それらの感覚受容器は、過大な刺激により痛覚に転じることになる。
つまり過度な運動による関節内圧の上昇および温度変化により容易に疼痛が発生するわけだ。

 最近では動きと温度の双方に反応するポリモダル受容器の存在が明らかにされている。そうした遊離神経終末が関節包内にも届いていることが分ってきた。

 さらに、最近の組織学的、電気生理学的研究により、温・冷受容器の痛みの関与については4.5°~10°Cおよび40°~45°Cで痛覚は最大値を示すことが明らかにされている。


MEMO
神経層は毛細血管と網状結合しており、各組織への酸素と栄養補給はすべて毛細血管により行われる。
したがって、血流状態のいかんによって痛みの閾値も左右される。


2. 筋肉痛の内容


 しばしば関節痛として表現される筋肉痛は、浮腫性。
虚血性のものである。
筋肉内に代謝産物(発痛物質)が蓄積し、それらが知覚神経を刺激するために痛みが生じることになる。

 また、血流量の減少により温度低下を招くことも痛みを引き起こす原因であるとされる。
特に「冷」の場合は、常温よりわずかな低下をみることが痛みに結び付くとのデータも出されている。

MEMO
化学的発痛物質にはヒスタミン、ブラジキニン、セロトニン、プロスタグランジン、カリクレイン、カリジン、プラスミンなどがある。それらの物質が中枢系に投射されると、麻薬様物質(エンドルフィンなど)を誘発することになるとされる。



 次に、筋肉を1次的に操作する固有受容器は脊髄系の筋紡錘(1a線維)とゴルキ腱器官(1b線維)である。
前者が筋長の調整に、後者が張力の調整に(時間差を持ちながら)それぞれ機能している。

 加えて筋長は錘外筋線維により調整されるほか、遠心性のγ線維によって求心性の1a線維(運動性のα線維)が再修正されるという二重機能を持つ。

 このことは、もともと筋肉にとって過剰な緊張には耐えられないという事実を物語っている。
また、過大な収縮速度(小脳関連)とか筋疲労の増大などにより、筋機能の障害を招きやすいことを示してもいよう。







カイロプラクティック教本-四肢編6-

2.関節内各組織の対応

 上記のように、それぞれの組織がそれぞれ過不足なく機能してるならば、関節は正常な可動域を保ち、痛みなどの発生もなく長期間の使用に耐えられるように作られている。
それでは、どの組織に、どのような障害が生じやすいのか。

1)関節包

 関節腔(間隙)を包み、外層はコラーゲン線維の大きな膜で作られ、その内層は濶膜に覆われている。
外層は血流量が小さいので、損傷による回復には時間を要する(「関節の痛みのパターン」の項参照)。

2)滑膜

 関節包の内側を覆い、リンパ管・神経が届き、毛細血管網を持つ。
また繊毛、ヒダ、脂肪パットなどを備え、滑液の生成と滑膜の再生を助けている。


MEMO
①オーバー・ヒートの吸収は滑(液)膜であるが、過剰のものは直上の皮膚により放熱される。
したがって、皮膚が正常な厚みを失っていると、放熱効果が働かず、摩擦熱が内部にこもり、関節の異常につながる。

②オーバーユースによる産熱の過剰とは逆に、関節の使用が過少な場合は滑液の産生不能、栄養障害などを引き起こす。分泌性の障害は、神経性のものとは逆に徐々に積み重なるために快復も長引くことになる。


3)滑液

 関節腔を満たし、関節面の潤滑と軟骨の栄養補給に働く、粘性(ヒアルロン酸)を持ち、濃度の上昇で粘性を増す(ゲル化)。また、粘性は温度に敏感であり、低温により増大する。


MEMO
寒い季節における関節リウマチなどのこわばり感は、この粘性の増大によるものとされる。また、その不快感は滑膜に届く自律神経の影響によるものと言われている。


4)関節軟骨

 軟骨は弾性を持ち動作が引き起こす圧迫の状態により、その厚さが増減する(弾性反跳)。
これは、動きを円滑化するためと、もう1つは成人の軟骨が神経・血管を欠いているため、その弾性により栄養物、老廃物の出し入れを行うためである。

 仮に、硝子軟骨に痛みを感じるとすれば靭帯の捻挫などを疑う。
なお、骨自体は痛みに敏感ではないが、炎症が骨膜に及ぶと鋭い痛みが走る。

MEMO
関節軟骨の細胞外成分を軟骨基質といい、水分のほかコラーゲン線維、無定形物質(プロテオグリカン)から成る。軟骨細胞は、後者の物質を合成する機能を持っている。


5)靭帯
 2つの骨は靭帯により結合され、関節の過度の運動を抑制し、その損傷を防ぐことに働く。
 ほかに、関節包を補強するために包内に靭帯を持つものもある。
いずれにせよ、靭帯はセンサリー、レセプターを備えるが、触診により痛みを覚えることはない。

 なお、滑液ヒダは関節端の不適合部分を埋め、かつ滑液の流入を助けている。



つづく





カイロプラクティック教本-四肢編5-

◎ 四肢をつなぐ関節のメカニズム(その2)


■滑膜関節の特徴とその流体力学的機能


 滑膜関節には、その運動様式に応じてさまざまな構造が存在することを前節で述べた。だが、関節構造はさまざまでも、それらに共通するものを備えている。

 それは、関節包、滑膜、関節腔、滑液、関節軟骨などの組織を持っていることである(図11)。

 そして、それらの諸組織の共同作業により流体力学的機能を生み出し、頻回な関節運動を可能にしているのである(図12)。

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1.流体力学的機能とは

 関節面が相対運動を行うことによって、まず、摩擦熱が起きる。そのために摩耗、精度の狂い、オーバーヒートなどが生じてくる。
もしそのまま経過すれば、関節はやがて破壊に追い込まれてしまう。

 そこで、関節面が長期の使用に耐えられるように潤滑物質を関節面に介在させることになる。
この潤滑物質が被膜(薄い液状フィルム)を形成して軟骨の摩擦を防ぎ、かつ、スライド運動の円滑化と衝撃緩和の油圧効果に働くことになる。

この潤滑物質(滑液)は、吸熱性の粘性液体であり、オーバーヒートを回避するための熱交換の循環に働く。同時に、関節面のズレ(接線応力)を調整してくれるわけである。



つづく