ライフカイロプラクティックカレッジウェスト卒 広尾カイロプラクティックオフィス
院長 田中 稔久 D.C.,C.S.C.S. [2012.2.22の続き]
症例l
22歳男性、大学野球選手、投手。
症状と徴候は利き腕の右が思ったように挙げられず、無理に投げ続け、肘を故障する。
検査内容:
立位で右腸骨稜とPSISが下がり、右仙腸関節間上部1/3が若干開きぎみ。
この状態は左腸骨稜を若干拳上させる。右腸骨の状態は股関節屈筋群を短縮させ、腰椎椎体部を右回旋させ、若干左凸の配列になる。骨盤の傾斜は柱となる腰椎を歪め不安定性をつくる。
脊椎の働きは、体の動きに対する衝撃吸収と動きの滑らかさの供給がある。
しかし、配列異常と関節可動の減少は脊椎の働きが損なわれるため、痛み以外にスポーツ競技のパフォーマンスにも影響する。下部胸椎第10から第7まで後湾しつつ右へ側湾する。この配列が頭頸部を前方へ突出させ、右肩甲骨を拳上させる状態をつくる。
ご存知のように肩甲骨の挙上位は腕の外転や屈曲可動域を制限させる。
このアスリートに実践と同じように投球をさせ、投球フォームを観察する。前脚の左が着地し、ポールをリリースする瞬間、前脚の膝が外に曲がった。左膝が内反した状態である。
上半身は左に倒れるような姿勢になるが、右腕でその傾きを修正しようとし、リリースポイントがずれてしまう。
もちろん、胸椎の歪みがあるため、胸が前に張れず背中が丸い状態で投球するため、球威もコントロールも悪くなる。
次回に続く