すぐそこまで来た! マイナンバー制度への 対応について 第20回 (1)
たや社会保険労務士事務所 田谷 智広
■ はじめに
これまで認知度が低かったマイナンバーですが、最近よ うやくCMもはじまったので、名前だけは知っているという 方も増えてきたと思います。実際、来年1月1日から、実 務面でマイナンバーの利用がはじまります。スタートまで時 間が無いところですが、「マイナンバーがはじまったら、何 が変わるの?」「どんな影響があるの?」という方がまだま だ多いと思いますので、今回はマイナンバーについて説明 していきます。
■ まずは従業員の住所確認
マイナンバーは、日本に住所がある個人と法人すべてに 固有の番号が付けられ、いろいろな手続き等を正確に、効 率的に行おうというのが目的です。 まずは来年1月から、税・社会保障・防災の分野から利 用がはじまり、徐々に拡大していく予定です。事業者の事 務でいえば、源泉徴収税とか、健康保険、厚生年金、雇 用保険など、労務に関連の深い事務を行うために、書類に 従業員のマイナンバーを記載して行政へ届け出ることが必 要になります。たとえば源泉徴収事務は、給与を支払う事 業者ならだれでも行うことですから、すべての事業者がマイナンバーに関わることになるといっても過言ではありません。 マイナンバーの通知は今年の10月からはじまります。日 本に在住の個人全員に、住民登録している住所に送付され ます。前述の通り、税や社会保障の事務を行うためには従 業員のマイナンバーを把握しなければなりません。そして、 そのためには従業員のみなさんが確実にマイナンバーの通 知を受けとることが必須となります。希に、現住所と住民 登録が異なる方がいます。たとえば住民票は実家のままに しているケースです。実家に届けば安心のようにも感じま すが、途中で紛失することもあり得なくはありません。確実 に本人の手に届くよう、従業員には住民登録と現住所を一 致させるよう促しておくことが必要です。
■ マイナンバーについて理解を深める
次に、マイナンバーに対する理解を深めておくことも重 要です。これは、事業主もそうですが、できれば従業員全員、 特に経理や労務を担当するような職員がいれば、少なくと もそのような立場の方は、マイナンバーのことをよく理解し ていくことが重要です。マイナンバーは、個人情報の中で も得に重要な個人情報として指定されています。(特定個人 情報)この制度が検討された頃から、マイナンバーの漏洩防止、悪用防止については、多くの議論が重ねられてきました から、これら漏洩・悪用については懲役刑など重い罰則が設 けられています。このような背景から、マイナンバーの重要性、 機密保持を理解することは、院のリスク管理につながること はもちろん、事務を扱う担当従業員を守ることにもつながりま す。従業員の理解が浅かったために、うっかりミスで重い罰 を受けてはかわいそうです。院内で勉強会をするとか、外部 のセミナーを受けるなど、知識を深めていただくといいと思 います。また、内閣府のホームページも充実しているので、 参考になると思います。
【内閣府ホームページ】 http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/
<次回に続く>