膝のスポーツ障害はアスリートにとって致命的となりそして精神的にまで影響することがある。
膝を受傷したアスリートは足部を受傷したアスリートより気持ちを弱くする傾向がある。
ただ単に、足部への関心がないか、それとも足部を軽視しているからだと思う。
臨床の経験から、足部からの問題が膝へと影響する事は多々あり、膝の障害が改善されない一つの理由として足部の疎かな治療が原因だったりする事もある。
アスリートへの治療は姿勢分析から動作分析へと全体を診つつ、局部へと絞って診て行く事を勧める。
今回は膝スポーツ障害の診方ではなく、後に膝障害をまねく恐れがある状態の評価とカイロプラクターによる治療法の話をしたいと思う。
機能解剖学:膝関節は股関節や足関節に比べて安定性が必要とされる関節である。
安定性の働きは靭帯や腱構造によるもので、これらの組織が何ら原因によって損傷を起せば不安定性となり、関節機能以外に構造的にも問題が起こる。(事細かな解剖学的部位名や機能はこの場では省きたいと思う。)
最初に十字靭帯から説明したいと思う。
十字靭帯には前十字靭帯(ACL)と後十字靭帯(PCL)がある。
ACLはPCLより細く、よく例えられるがACLは小指位の大きさでPCLは親指位になる。
太いPCLの強度は強く、十字靭帯損傷発生率はACLが多い。
つづく