脊椎と連なる仙骨は両寛骨との組み合わせにより、輪形の骨盤が形成される。骨盤は内臓の保持と保護を担い、大腿部の筋の起始ともなる。
骨盤は座位では体重を支え、立位では体重を下肢に伝えている。
アーチ状の構造は体重支持と体重伝達において重要な働きとなる。
大きな寛骨は最初のうちは、寛骨を構成する3つの部分(腸骨・坐骨・恥骨)より分割されている。
しかし、後になって寛骨臼においてY字型をした骨端部に融合する。
骨盤の上部にあたる腸骨は皮膚に近いところにあるため、全体を触診可能にする。
腸骨稜はL4-5の高さに一致し、上前腸骨棘(ASIS)は骨指標として容易に触知でき、この部分には鼠径靭帯と縫工筋の起始部となっている。
上後腸骨棘を結んだラインにはS2のレベルにあたり、仙腸関節の中心となる。
これらの骨指標は腰椎の棘突起や肋骨突起(横突起)を正確な識別のため役立つ。
つづく