頚部椎間板ヘルニア|健康コラム|日本カイロプラクティックドクター専門学院

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健康コラム

頚部椎間板ヘルニア

 多くは椎間板の退行変性に基づく。髄核が後方繊維輪を突き破って、後方あるいは後側方に突出・脱出し脊髄や神経根を圧迫し、脊髄症・神経根症状を引き起こす疾患である。

頚椎部の好発高位としてはC5-6間、C6-7間、C4-5間の順で、30代から50代の男性に多くみられる。


■問診ポイント

1.ヘルニアの脱出方向・圧迫組織により症状が異なる。

2.日常や仕事での頚椎負担を推察。
 ⇒スポーツ選手に好発する。

3.疼痛出現の誘因と外傷の確認。

4.一般的にヘルニアの疼痛は頚椎運動に伴う。

5.安静時痛・夜間痛を伴う場合は、炎症・腫瘍性疾患を疑う必要性あり。

6.治療を受けている場合はその効果を確認。

7.脊髄症状を示す症状の有無。(箸が使いにくい、ボタンがはめにくい。歩行障害など)


■症状

 頚部痛、項部痛に加え、後方ヘルニアでは脊髄自体を圧迫し、圧迫性脊髄障害を呈する。
後側方ヘルニアでは神経根が圧迫され、神経根刺激症状を呈する。(上肢の疼痛・知覚・運動障害)


頚椎症状


 後頭・肩甲部のいわゆる肩こり、疼痛、運動制限、伸展位で憎悪多い。安静時陰性、咳やくしゃみで疼痛、放散痛が生じることが多い。(デジェリン徴候陽性)


神経根症状

 一側(まれに両側)の肩甲周辺の疼痛、上肢への放散痛、前腕・手指へのしびれ深部反射・筋力・知覚の異常。


脊髄症状

 知覚障害は手指・手掌全体に及ぶしびれ感が主体。さらに体幹・下肢に拡がる。運動系として書字、更衣、食事動作など困難になる。下肢痙性麻痺として、階段は手すりが必要になり、走行、飛躍ができず、重度の場合は排尿不全や頻尿も自覚することも少なくない。


■理学所見

1.脊椎可動検査。運動制限と症状の誘発がどの方向で出現するか。
⇒伸展時に可動制限と症状の誘発が多くみられる。

2.頚椎圧迫テスト陽性。上肢への放散痛、しびれが誘発されれば神経根の可能性高い。
⇒責任高位を深部反射・筋力・知覚の評価で推定可能。
(画像と一致すれば確定)

3.前・後屈で四肢への電撃痛出現は脊髄腫瘍多発性硬化症などの疑いも考慮。

4.脊椎所見のみでの頚椎症との鑑別困難。

5.前屈制限が多く認められる腰椎椎間板ヘルニアとは対症的である。

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鑑別診断

脊髄腫瘍・・・・・・・・ 安静時・夜間痛、下肢症状、膀胱・直腸障害。
パンコースト腫瘍・・・ 肺尖部の腺癌。肢位と無関係の安静時痛。全方向の頚椎運動痛が出現し、腋窩から上肢尺側に激痛。x-rayで腫瘍認める。
絞扼性神経障害・・・・ 胸郭出口・肘部管・手根管症候群。

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神経根由来の放散痛の部位
 C5神経根症では肩から上腕へ、C6神経根症では前腕橈側へ、C7神経根症では前腕伸側へ放散する疼痛が出現する。


■画像診断
X-ray:前後像と側面像を撮影。腰椎の側弯有無や前弯の程度を観察。
椎間板腔の狭小化が認められるが、ヘルニアの特徴的な単純X線所見はない。
高度な脊椎性変化が認める場合は頚椎症との診断が多い。
退行変性・後縦靭帯骨化症などの有無を確認。

MRI:椎間板ヘルニアや椎間板変性に診断で最も優れた画像診断である。
CT:脊柱管の形態を知るにはCTによる横断像が最適である。

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