鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.
よく5年目、7年目のジンクスといわれるのですが、始めたばかりの一年目などは、無我夢中です。
やがて一年過ぎる頃には、やや2割ぐらいの手に負えない難治性の患者さんが残ります。
その患者さんを抱えながら2年目も同じように2割程度の患者さんが残ります。
5年目、7年目頃になると、やや5割を超える手に負えない患者さんが自分の目の前に、あるいは立ち去って行った患者さ
んが心の中に残ります。
こうなると自分がどんどん苦しくなります。
しかしこれは苦しみながら、もがきながら自分で見つけ出しこの大きな壁を乗り越えるしかないのです。
誰も助けてはくれないのです。
この時こそしっかりと足元を照らして、前を見据えて前進していける哲学の存在が不可欠になります。
私自身も数年前にこの問題に直面しました。大したことは出来ていないのに、出来ているような錯覚を起こしていたのです。
気が付いてみたら、何度施術しても毎回同じ症状で帰ってくる、さらに悲惨なのは、悪化していく患者さんの存在です。
そうなるとかなりジプシー的になり、これが良いあれが良いと聞けば、情報収集に励み試してみたものの自分のものにはならず、ただ情報の羅列をし続けるのです。
毎日夜遅くまで勉強しても、全く光が見えてこない日々が続き疲れ果てたそんな時に、一冊の著書に出会いそこから生き返ったようになったのを覚えています。
この本からは、考えることの大切さ、考えることの楽しさ、そして特にこの仕事は、考えることが最も重要で必要不可欠なのかを思い知らされました。
人から聴き知ったことは、けして勉強したことにはならず、本当の知識にはならないのです。
つづく