2.膝窩筋腱炎
この障害もITB症候群と似た症状で、痛みの部位も外側膝関節周辺に表れます。
主に、ダウンヒル・ランニングやジョグ・ランニングをする人に多い障害です。
原因:
この障害に関する筋は膝窩筋で作用は2つです。
1つは下腿の内旋です。但し、非加重で膝関節が屈曲している状態です。
もう1つは、歩行時や走行時に生じる足底からの衝撃を若干の膝屈曲で吸収する働きです。
第2のショック・オブザーバーと言われています。
これらの作用が過剰になると膝窩筋腱炎になります。
評価:
外側側副靭帯付着部より前部に圧痛。または、外側側副靭帯後部に圧痛。
膝窩筋の筋力テストによって痛みを誘発。
その筋力テスト法とは、検査術者は下腿外旋する方向に少し回旋しその動きに合わせるように患者は下腿を内旋させ抵抗します。
これにより内旋力が確認できます。筋力低下や痛みが誘発されれば陽性です。
もう一つの検査は、患側に体重を乗せて膝を30°程度屈曲し、大腿を内旋させて痛みまたは、心地悪さがあれば膝窩筋腱炎の疑いがあります。
治療:
膝関節の内旋変位の原因となる他の関節のサブラクセーションをアジャストします。
関節の可動域減少と筋の柔軟性低下は筋緩和によって改善させます。
関節機能と筋機能が改善するまで、競技は休み、安静にします。
痛みの改善が治療後2~3週間後に見られるようであれば、リハビリをプログラムに従って行います。
ITB症候群と膝窩筋腱炎は症状と部位が近いため診断を間違えないように。