8.セロトニン系
CleareらはCFSの生理病理的要因または、鬱や活動障害による二次的要因に関連していると思われる5-hydroxytryptamine1A (5-HP 1A) 受容体の減少を報告した。
また、CFS患者のセロトニン神経伝達系についても研究され、上側前部帯状回におけるセロトニン系の異常がCFSの重要な生理病理的要因の一つであると結論付けた。
セロトニン伝達因子(5-HTT)由来プロモーター多形現象研究において、CFS患者では、転写活動を保持する長い対立因子に顕著な増加がみられた。
更に、選択的5-HT再吸収抑制剤であるfluvoxamine投与により1/3のCFS患者に社会復帰が得られた。ラット検体において、5-HTTが疲労の畿序の中心的要因であることが示されたことから、5-HT活動低下が疲労の要因の一つであることが推察される。
これら臨床、実験データにより、セロトニン系異常はCFSの畿序に関与していることが示唆された。
また、セロトニン系は、神経変性疾患における海馬、前頭前野、HPA axisの変化にも関与している。