5.症状に関連する神経画像変化
脳のどのような異常がCFSの様々な症状に関与するかは未だ解明されていない。
報告されている灰白質ボリュームの減少は、CFSの中心的症状である活動障害に関与すると考えられる。
また、右前頭前野灰白質ボリュームの減少は、疲労感の重症度と関連する。しかし、Cookらは、精神的疲労は、頭頂葉皮質、帯状回、下前頭葉皮質、上側頭葉皮質、小脳、小脳虫部など数部位の灰白質及び皮質下部脳活動と深く関連することを示している。
精神医学的症状もしばしばみられるCFSの主訴である。
精神症状のないCFS患者では両側中大脳動脈分布皮質領域で血流減少が報告されたが、精神症状を持つCFS患者では左中大脳動脈分布領域のみに血流減少が報告された。
更に、T2強調MRIにおいて精神症状を持つCFS患者、健常コントロール群との比較で、精神症状を持たないCFS患者ではより脳の多部位に異常がみられた。
皮質下白質の小さな点状の高信号という大脳変化が精神症状なしCFS患者の特に前頭葉にみられ、精神症状ありの患者でそれらはみられなかった。