3.脳血流減少
CFS患者における脳血流に関する過去の研究では矛盾した結果が報告されている。
IchiseらとSchwartzらのSPECT研究では全体的潅流低下が報告されている。
また、SPECT研究において前部帯状回や脳幹などの局所的潅流低下も報告されている。
Yshiuchiらは、xenon-computed tomographyを使用し、CFS患者の脳皮質血流を調べたところ、中大脳動脈分布領域での血流低下が示された。
しかしながら、一卵性双生児CSF患者におけるSPECT研究では、健常双生児との比較において脳血流に関し有意差はみられなかった。
脳血流異常という結果により脳代謝に関する研究が行われている。
脳代謝の研究ではFDG PETが使用されており、CFS患者の右中部前頭葉皮質と脳幹において顕著な低代謝が報告された。
脳血流SPECT研究結果と合わせて考察すると、CFSの生体診断において脳幹部低代謝が注目されるであろう。