(米)ライツウエストカイロ大学元講師 米国公認カイロドクター
学長 小倉毅D.C.
Point specificity of acupuncture in the light of
recent clinical and imaging studies
(鍼治療に関する近年の臨床及び画像研究についての検討)
Anthony Campbell
Introduction(はじめに)
鍼治療におけるツボの特異性については未だ解明されていない。治療家により鍼を刺す部位に多少の違いはあるが、各ツボには明確及び再現性のある臨床的効果があることは知られている。
また、鍼を刺す深さや刺激の有無などにも治療家によって差異が存在し、これらの差異により鍼治療のプラセボ的効果が考えられる。
あるいは、ツボの選択、鍼の深さの効果ではなく、鍼を刺すことそのものに治療的効果が存在することも考えられる。これらが鍼治療の疑問点であり、解決困難な点でもある。
ツボ療法を支持するものとしてでは、嘔気のためのPC6に関する研究があるが、それは結論付けに至っておらず、数百も存在するツボの一つの研究にすぎない。
これらの問題は長期的に存在してきたが、近年、ドイツで画期的研究が報告されている。全ての4研究で鍼治療における症状改善が報告されているが、その内3研究では鍼を刺す方法、部位に関する有意差はみられなかった。
これらの研究ではfMRI、PETといった脳画像が使用されており、ツボ刺激における脳への影響が報告されている。
これらの研究は興味深いものではあるが、未だその未熟性は拭えない。本論文では、プラセボを含め、鍼治療と他の治療法との考えられる類似点について検討する。
つづく