JCDC札幌校
学院長 川人 誠司B.S.C.[2012.8.17の続き]
胸郭部の疾患
胸郭機能解剖
胸郭は12個の胸椎、12対の肋骨が関節を形成し、前方では胸骨と肋軟骨によって連結した籠状の骨格で、その囲む内腔を胸腔と呼ぶ。
肋間筋と横隔膜の収縮により容積を変え、肺の呼吸機能を担う。
一般的に女性では、男性より胸骨が短いため胸郭は小さい。
胸腔は心臓や肺など重要臓器を収める保護容器となる。
胸椎固有の動きは頚椎、腰椎と比較して著しく制限されているのは、胸郭内の臓器が移動されないためでもある。
胸椎の椎間関節は前額面に近い角度で上、下胸椎が連結しているため、屈伸運動は制限されるが、回旋運動は有利に働く構造となっている。
胸椎と肋骨が連結する肋椎関節は2種類ある。
一つは肋骨頭関節で、第1・11・12肋骨頭は同じレベルの胸椎単一の肋骨窩と、第2~10肋骨頭は第1~10胸椎の上下肋骨窩との間にできる半関節で結合し、放射状肋骨靭帯によって補強されている。
もう一つは肋横関節で、これは肋骨結節と同じレベルの胸椎横突起との関節である。肋横突靭帯で補強される。
次回に続く