JCDC札幌校 学院長 川人誠司B.S.C.[2012.3.14の続き]
椎間板は加齢とともに(20歳を過ぎると)、髄核紡織内に多量に含まれている水分の減少が始まりクッション作用も減じて、髄核と組織輪との区別が不明瞭になる。
老齢になると椎間板は萎縮し身長も減少する。
生来の個体差、社会歴などによってこの変性の早さ、程度は大きく違うことになる。
成長期~中年期に過剰な運動、労働などによって、脊柱に加わる衝撃が面接組織の変性を招き、その周辺を取り巻く繊維輪にはさまざまな亀裂が入りはじめる。
椎間円板の構造は前部より後部が比較的に薄いため、後部に損傷や亀裂が生じることが多く、急激な外傷などによって椎間板内圧の上昇のため髄核が繊維輪の亀裂を通り、後方や後外方に脱出することがある。
これを椎間板ヘルニアと呼ぶ。
このとき腫瘤は知覚終末の多い後縦靭帯を押し上げ、脊椎神経根を圧迫し、末梢神経に沿った神経根刺激症状(放散痛、知覚異常など)を発症させる。
椎間板ヘルニアは脊椎の可動性が大きい部分と比較的小さい部分との境で起こりやすい。
(※頚椎ではC5-6間、C6-7間、腰椎ではL4-5間、L5-S1間。胸椎は可動域が制限されているために頚・腰椎にくらべ比較的発症はまれである。変性の好発部位も同じくこれにあてはまる。)
次回に続く