JCDC札幌校 学院長 川人誠司B.S.C.
≪胸部・腰部の疾患≫
【脊柱機能解剖】
脊柱は7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎と5個が癒合した仙椎および3~5個の尾椎より形成される。
脊柱の中には脊髄神経(第1頚椎~第1腰椎)と馬尾神経(第1腰椎~第1仙椎)が入る脊柱管がある。
各椎骨の前部には椎体があり、後部には関節突起があり椎間関節を形成する。
この椎間関節は四肢の関節と同様の滑膜を持つ関節である。
上下に隣接する椎体とは互いに椎間板によって連結する。
椎間板は円板状の繊維軟骨で、周辺部は強靭なコラーゲン繊維が輪状に織り成す繊維輪からなる。
その中心部の水分に富んだゼリー状の柔らかい組織からなる髄核と椎間板は、椎体の上下に挟まれクッション作用を発揮する。こ
の関節には滑膜組織は存在しない。
椎体椎間板の前方には強靭な前縦靭帯があり、脊柱の過剰な伸展可動を防いでいる。
椎開板の後方には後縦靭帯、脊柱管には黄色靭帯、棘間靭帯、棘上靭帯(頚椎部では項靭帯)が存在する。
ともに脊柱の支持に重要な靭帯である。
次回に続く